ただいま、母親業修行中。

まだまだ修行の身。小学生の息子を持つ母親のぼやきを中心にいろいろ

続・ゴールデンカムイ感想

特に気になった登場人物に焦点を当てて好き勝手に書きなぐるゴールデンカムイの感想文の続きです。
ネタバレ注意

悪運?凶運? 神に愛されしオッサン門倉利運

表の顔はうだつの上がらない中間管理職その正体は土方の配下であり内通者!
という彼の正体が発覚した時は
「じゃああの冴えない感じも演技なのね!?中村主水みたいに!」
なんて勝手に盛り上がっていたのだが
合流後もわりと小者感のある彼。
土方と牛山が毒殺されかける回で活躍の機会がまわってくるものの、「この事件は迷宮入りだ!」と迷探偵ぶりを発揮し出稼ぎアイヌのキラウシくんにも肛門ほじりジジイ呼ばわりされすっかり舐めた態度をとられてしまう。
彼の最大の武器はその悪運。
土方が薬売りの経験から編み出した解毒方法を、何の知識もなく全くの偶然で実行し一命をとりとめる。
ビール工場の火災・崩落に巻き込まれた「もうだめか」と門倉自身が死を覚悟したときも、倒れた柱や鉄骨が気絶した彼を工場の外へ導く。
そ・・・すわー・・・ストーン
まるでピタゴラスイッチのように瓶ビール付きでお布団に収まる場面は一度見たら忘れられない。読んだときは変な声で笑っちゃった。
逃げ遅れた門倉を案じ「門倉~~~わあああ~~~」と取り乱していたキラウシくんが無事を確認し「門倉ぁ!!」って喜んでるのもセットで良いシーン。
なんやかんや仲良しオッサンズ。

本人だけは見えない力で守られるけど傍にいるキラウシくんは危ないなーいやだなと思っていたが、オッサン2人はなんやかや決戦の修羅場を生き抜く。
決戦後も行動を共にする腐れ縁ぶりだけど、キラウシくんはコタンに帰らなくていいのかい?

衰えぬ眼光折れぬ信念 最後の侍土方歳三

新選組の土方が登場する様々な創作物を見てきたが、個人的に一番カッコいいのはゴールデンカムイの土方だ。
若者顔負けの身体能力、乱戦でも正確な剣捌き、このじじい強すぎる。
「鬼の副長」の迫力は健在ながら身内に対しては面倒見も良く、愛刀・和泉守兼定を持ち出したチカパシが「これでチタタプしてもいい?」と言い出した時も一緒にチタタプしたり子供にやさしい一面もあったりする。横で永倉新八がアワアワしてるのも含めてここは好き。
彼の目的は、自らの手で本州の防波堤となる共和国を作りもう一花咲かせることか、永倉が言ったように死に場所を探しているのか。
彼にとってそのどちらも並び立っていたのかなと思う。
建国計画はかなり無謀なものだけど、土方は自分の持つ知略と武力を注ぎ込み命が燃え尽きるまで突っ走るつもりだったんだろう。
最後の決戦では、私欲ではなく義のために戦う杉元にかつての自分を重ね愛刀とともに未来を託した。
瀕死の重傷を負いながらも、かつての仲間の幻影とともに最後まで戦い抜く姿は涙と鼻水なしには見られない。
武士よりも武士らしく気高い生きざまだった。